「転職するなら今の給料より少しでも上げたい」——そう思うのは、ごく自然なことです。最新の調査でも、20代の転職希望者がリアルにどんな年収を望んでいるかが明らかになりました。この記事では、元・製造業からIT業界へ飛び込んだ筆者の体験をもとに、未経験からIT転職をした場合の「リアルな年収事情」と、「将来しっかり年収を上げていくための戦略」をわかりやすく解説します。
今の給与や将来性に不安を感じている方、「転職してもっと稼げる仕事に就きたいけど、現実はどうなの?」と迷っている方に、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです。

最新データで見る20代転職希望者の「現在の年収」と「希望年収」
まず「自分の現状って、みんなと比べてどうなんだろう」という疑問から解消していきましょう。株式会社学情が2026年9月に公表した「20代転職意識調査」には、転職を考えている20代のリアルな年収データが詰まっています。自分と重ね合わせながら読んでみてください。
みんなのリアルな現在年収は「301〜400万円」が最多
株式会社学情の調査(有効回答数186件、2026年8月実施)によると、職歴のある20代の「現在の年収」は「301万〜400万円」が29.5%で最多でした。(出典:PR TIMES「20代転職意識調査」2026年9月)
製造業や事務職、販売・接客などで働いている方の多くが、このゾーンに該当するのではないでしょうか。私自身も工場勤務のときは、ちょうどこのくらいの水準でした。決して低くはないものの、「もう少し時間の余裕もあって、安定して稼げるような仕事に移りたい」という感覚はずっとあったんです。
同じ調査で、「希望年収」についても「301万〜400万円」が44.3%で最多という結果が出ています。(出典:PR TIMES「20代転職意識調査」2026年9月)つまり、多くの20代が「現状維持か、少しだけ上」を望んでいるという、現実的な姿が見えてきます。


社会人経験を積むほど「年収400万円以上」を希望する
同調査では、職歴別の分析も行われています。社会人経験3年以上の「ヤングキャリア」層では、希望年収が「401万円以上」の合計が46.2%と、約半数近くにのぼりました。一方、社会人経験3年未満の「第二新卒」層でも「401万円以上」希望者は40.2%と、こちらも4割超えです。(出典:PR TIMES「20代転職意識調査」2026年9月)
社会人として数年働くと、「生活費が上がった」「結婚や将来のことが現実的になってきた」という変化が出てきますよね。だからこそ、経験を重ねるほど「もう少し稼ぎたい」という本音が数字にはっきり表れているのだと思います。
現在の年収が401万円以上の割合は、ヤングキャリア層で26.9%(約4人に1人)、第二新卒層で12.4%にとどまります。(出典:PR TIMES「20代転職意識調査」2026年9月)
つまり「401万円以上を希望しているけど、実際はまだそこに届いていない」という人が多数派。この「希望と現実のギャップ」を埋める手段のひとつとして、IT転職は非常に有力な選択肢になります。
未経験からのIT転職、初年度の年収はどうなる?(元・製造業のリアル)
「IT転職で年収アップ」と聞くと魅力的に映りますが、最初から高い年収を手にできるかというと、正直そうではありません。ここでは包み隠さず、未経験からIT業界に飛び込んだ初年度の現実をお伝えします。
スタートラインは「300万円台」からのケースが多い
未経験でIT業界に転職した場合、初年度の年収は300万円台スタートになるケースが一般的です。企業によっては280万円〜320万円というケースもあります。入社直後は「研修期間」として実務よりも学習に時間を使うため、会社側も「まずは育てる期間」として給与設定を低めにしていることが多いんです。
私が工場を辞めてIT業界に入ったときも、最初の年収は前職より下がりました。夜勤手当や残業代がなくなった分、手取りでは明確に減った記憶があります。「あ、これは現実だな」と感じた瞬間でした。


「一時的なダウン」より「将来の伸びしろ」を見るべき理由
目先の数十万円の年収ダウンは、確かに痛い。でも、IT業界に身を置き続けることで得られる「ITスキルという資産」は、デジタル人材不足と言われている現在において市場価値に直結しやすいのです。
製造業は年功序列の傾向が強く、毎年の昇給は数千円〜数万円のペースが多いですよね。しかしIT業界では、スキルを身につけるスピードに応じて、昇給や昇格のスピードも変わりやすいという特徴があります。実際に私の周りでも、「入社2年目に前職の給料を超えた」という人はごく普通にいます。
「300万円台スタートでも、2〜3年後に前職の最高年収をあっさり超える可能性もある」——これがIT業界で未経験から頑張った人の、現実的なイメージです。短期の痛みに目を向けるか、中期の伸びに目を向けるか、という視点の切り替えが大切ですよ。


IT業界なら「希望年収401万円以上」の壁を越えられる理由
調査でも明らかになった「401万円以上を希望しているのに、まだ届いていない」という層がIT業界に来た場合、どんな可能性があるのか。このセクションでは、IT業界の給与のしくみと、年収アップのリアルなルートをお伝えします。
スキルと経験がダイレクトに評価される業界構造
IT業界(特にエンジニア職)の最大の特徴は、「何年働いたか」より「何ができるか」で評価が決まりやすいという点です。製造業では「勤続10年のベテラン」が自動的に高い評価を受けることが多いですが、IT業界では2年目でも「○○の技術を使いこなせる」という実力があれば、それが給与に反映されやすい傾向にあります。
わかりやすく言うと、「手に職をつければつけるほど、市場での自分の値段が上がる」という仕組みです。資格や実務経験を積むたびに、転職市場での自分の「値段」がじわじわ上がっていくイメージを持ってください。


数年後の「キャリアアップ転職」で一気に引き上げる
IT業界では「1社目で基礎を学び、2社目で年収を大きく上げる」という働き方がごく一般的です。これはIT業界の特性で、実務経験とスキルを持ったエンジニアへの需要が常に高いため、経験を積んだタイミングで転職すると、年収が一気に跳ね上がるケースが多いんです。
調査データでヤングキャリア層が望む「年収401万円以上」は、IT業界での実務経験2〜3年があれば、十分に現実的な目標になります。さらに技術力を磨いてフリーランスや上位企業へ転職すれば、500万円・600万円も夢ではない世界です。
※上記の年収ライン・時期はあくまで目安であり、職種・企業・個人のスキル習得ペースによって大きく異なります。
年収アップを見据えて、未経験者が今からできる具体策
「よし、IT転職に向けて動き出そう」と思ったとき、何から手をつけていいかわからない方も多いはずです。ここでは「今日からすぐできる」レベルの行動を具体的にお伝えします。ハードルはできるだけ下げて考えてくださいね。
まずは「ITパスポート」などの基礎学習に触れてみる
「プログラミングを勉強しなきゃ」と焦る必要はまったくありません。まず最初の一歩として、「ITパスポート」の参考書を書店でパラパラとめくってみるくらいで十分です。ITパスポートとは、国家資格のひとつで、IT業界の基礎知識(システムの仕組み、セキュリティ、ビジネス用語など)を幅広くカバーしているもの。エンジニアを目指さない職種でも評価されることがある、敷居の低い入門資格です。
大切なのは「合格すること」よりも、「勉強を始めたという事実を転職活動に使えること」です。面接で「転職に向けてITパスポートの勉強を始めています」と言えるだけで、「やる気がある未経験者」として印象がぐっと変わります。私も当時、それだけで面接官の反応が変わった経験があります。


「未経験歓迎&研修充実」の求人を賢く見極めるポイント
IT転職で長期的な年収アップを狙うなら、最初の会社選びで「給料の高さ」だけを基準にするのは危険です。初年度の年収が少し高くても、入社後に放置されてスキルが積み上がらない環境では、2年後・3年後に伸び悩むことになります。
求人票を見るときに最優先でチェックしたいのは、「入社後の研修期間がどのくらい設けられているか」という点です。目安として、1〜3ヶ月程度の研修期間が明記されている企業は、未経験者をしっかり育てる意志があると判断してよいでしょう。
🔍 求人チェックポイント
- ☐ 入社後の研修期間(1〜3ヶ月)が具体的に書かれているか
- ☐ 「未経験歓迎」とだけ書かれているのか、「育成実績あり」など具体的な記載があるか
- ☐ 社員の平均年齢・離職率などが開示されているか(風通しの良さの目安)
- ☐ 資格取得支援制度や勉強会・技術研修の制度があるか
「自分を育ててくれる土台のある会社」を1社目に選ぶことが、長期的な年収アップへの最短ルートです。最初の年収が少し低くても、スキルがついた2〜3年後に転職でキャリアを引き上げる——この流れを最初から意識しておくと、求人選びの軸がぶれなくなりますよ。


📌 まとめ
・20代の転職希望者の多くが「現在年収・希望年収ともに301〜400万円」というゾーンにいる。ヤングキャリア層では「401万円以上」を希望する声が半数近くに達している。(出典:PR TIMES「20代転職意識調査」2026年9月)
・未経験からのIT転職は、初年度は300万円台スタートになるケースも多い。しかしそれは「投資期間」であり、スキルを積むことで2〜3年後には前職の年収を超えることも十分に可能。
・IT業界は「年功序列」ではなく「スキル評価」の文化が強く、努力が年収に直結しやすい構造になっている。
・今日からできる行動として、まずはITパスポートの参考書に触れてみること、そして求人選びでは「研修期間の充実度」を最優先に確認することが大切。


