迫り来る食料危機:私たちにできることは何か?

穀物の画像 食糧危機





みなさん、こんにちは。

最近、スーパーで野菜や肉の値段が上がっていると感じたことはありませんか?


この価格上昇には様々な要因がありますが、その一つに世界的な「食料危機」の影響があるんです。


食料危機


そんな大げさな~


そのように思われるかもしれません。

でも、世界ではすでに起こっているんです。


 確かに、私たちの日常生活では、スーパーマーケットの棚には常に食べ物が並んでいますし、レストランでは好きな料理を楽しむことができます。
 しかし、世界に目を向けると、状況は決して楽観できるものではありません。

 気候変動、環境破壊、人口増加など、様々な要因が重なり、私たちの「食」を脅かしているのです。




迫り来る危機の実態





まず、現在の世界の食料事情について見てみましょう。


 国連の報告によると、2022年時点で世界の約8億2,800万人が慢性的な飢餓に苦しんでいます

 これは世界人口の約10%にあたります

 さらに、新型コロナウイルスのパンデミックや地域紛争の影響で、この数字は増加傾向にあります。そして、この状況をさらに悪化させる要因が、気候変動や環境破壊なのです。





温暖化の影響



地球温暖化は、農業生産に深刻な影響を与えています。

例えば、、、


 、

・2022年の夏、ヨーロッパでは記録的な熱波に見舞われました。

・フランスでは、干ばつにより小麦の収穫量が前年比20%も減少しました。

・イタリアでは、ポー川の水位が低下し、農業用水の確保が困難になりました。 



 日本でも、2022年の夏は記録的な猛暑となり、野菜の価格高騰を引き起こしました。キャベツやレタスなどの葉物野菜は、高温による生育不良で収穫量が大幅に減少したのです。




 温暖化は、単に気温が上がるだけでなく、異常気象の頻度を増加させます。豪雨、干ばつ、台風の大型化など、予測不可能な気象現象が農業生産を脅かしているのです。




乱獲による資源の枯渇

漁の画像




 気候変動だけでなく、人間の活動による直接的な影響も深刻です。

 

 特に海洋資源の乱獲は危機的な状況にあります。
 

 国連食糧農業機関(FAO)の報告によると、世界の漁業資源の約34%が乱獲状態にあるとされています。

 つまり、魚が自然に増える速度よりも早く捕獲されているのです。

 


 例えば、マグロの一種であるクロマグロは、乱獲により個体数が激減し、絶滅危惧種に指定されています。


 日本の太平洋沿岸でよく見られたサンマも、近年は不漁が続いており、2022年の漁獲量は過去最低を記録しました。




 




生物多様性の喪失




 乱獲だけでなく、森林伐採や環境汚染による生態系の破壊も、食料生産に大きな影響を与えています。




 例えば、アマゾンの熱帯雨林では、農地拡大のための違法な森林伐採が進んでいます。
 2022年の1年間だけで、東京都の面積の約2倍にあたる約1万1,000平方キロメートルの森林が失われました。




 森林は、気候の安定化や水源の涵養、土壌の保全など、農業生産に不可欠な役割を果たしています。

 その喪失は、長期的に見て食料生産に深刻な影響を与えます。



 

 また、農薬の過剰使用や環境汚染により、ミツバチなどの花粉媒介者が減少しています。これらの昆虫は、多くの農作物の受粉に不可欠であり、その減少は食料生産に直接的な影響を与えます。




日本の食料自給率と輸入依存



 日本は食料の多くを輸入に頼っています。2022年度の食料自給率(カロリーベース)は38%で、先進国の中でも極めて低い水準にあります。



 つまり、私たちが食べている食料の約6割を海外からの輸入に依存しているんです。



 日本の食料自給率が低い主な理由は以下の通りです



  1. 食生活の変化:
    戦後、日本人の食生活が欧米化し、米の消費が減る一方で、肉類や小麦製品の消費が増加しました。

  2. 農業就業人口の減少と高齢化:
    農業従事者が減少し、平均年齢も上昇しています。

  3. 農地面積の減少:
    耕作放棄地の増加や宅地への転用により、農地が減少しています。

  4. 輸入飼料への依存:
    畜産物の生産に必要な飼料の多くを輸入に頼っています。





主な輸入食品とその自給率を見てみましょう



  1. 小麦:自給率約17%(2021年度)

  2. トウモロコシ:自給率約0.8%(2022年度、飼料用含む)

  3. 大豆:自給率約7%(2021年度)

  4. 牛肉:自給率約38%(2021年度)




 これらの数字からわかるように、日本の食卓は海外からの輸入に大きく依存しています。

 このような状況は、世界的な食料危機や国際情勢の変化に対して、日本の食料供給が脆弱であることを示しています。

 食料安全保障の観点からも、自給率の向上や多様な輸入先の確保が重要な課題となっています。 






世界の食料危機が日本に与える影響




このような状況下で、世界規模の食料危機が発生した場合、日本は深刻な影響を受ける可能性があります


 

  1. 食料価格の高騰:
    輸入食品の価格上昇は、直接的に日本の食品価格に反映されます。2022年のロシア・ウクライナ紛争後、小麦価格が急騰し、パンや麺類の価格上昇につながりました。

  2. 食料の安定供給への不安:
    主要輸出国での不作や輸出規制により、必要な食料を確保できない事態も想定されます。2008年の世界食料危機の際には、一部のスーパーマーケットで食用油や小麦粉の買い占めが起こりました。

  3. 畜産業への打撃:
    飼料の多くを輸入に頼る日本の畜産業は、世界的な穀物価格の高騰に特に弱い立場にあります。これは、肉や卵、乳製品の価格上昇や供給不安定につながる可能性があります。

  4. 食品産業全体への影響:
    原材料の調達が困難になることで、食品加工業や外食産業にも大きな影響が及ぶ可能性があります。

  5. 国民の食生活の変化:
    価格高騰や供給不足により、これまで当たり前に食べられていた食品が手に入りにくくなる可能性があります。これは、日本人の食生活や栄養バランスに影響を与える可能性があります。

このように、世界の食料事情は日本の食卓に直結しています。食料自給率の向上や、多様な輸入先の確保など、食料安全保障の強化が急務となっています。








近年の具体的な事例





 これらの問題は、決して遠い未来の話ではありません。実際に、世界各地で食料危機の兆候が現れています。いくつかの具体例を見てみましょう。


  1. 2010年のロシアの熱波と穀物輸出禁止

     2010年夏、ロシアは記録的な熱波に見舞われ、大規模な森林火災と深刻な干ばつが発生しました。

     これにより穀物生産量が大幅に減少し、ロシア政府は穀物輸出を禁止しました。この決定は世界の小麦価格を急騰させ、特に中東や北アフリカの国々に大きな影響を与えました。




  2. 2016年の南アフリカの干ばつ

     2015年から2016年にかけて、南アフリカは100年に一度と言われる深刻な干ばつに見舞われました。トウモロコシの生産量が大幅に減少し、食料価格の高騰を引き起こしました。

     この干ばつは、エルニーニョ現象による気候変動の影響だと考えられています。


     

  3. 2019年の東アフリカのバッタの大発生

     2019年末から2020年にかけて、東アフリカでは数十年ぶりの大規模なバッタの群れが発生しました。

     エチオピア、ケニア、ソマリアなどの国々で農作物に甚大な被害を与え、数百万人の食料安全保障を脅かしました。この異常発生は、気候変動による異常気象が一因とされています。




  4. 2021年のブラジルの干ばつと霜害

     2021年、ブラジルは深刻な干ばつに見舞われ、その後の異常な寒波による霜害も加わって、コーヒーの生産に大きな打撃を与えました。

     ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、この事態は世界のコーヒー価格の高騰を引き起こしました。




     
  5. 2022年のロシア・ウクライナ紛争の影響 

     2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻は、世界の食料供給にも大きな影響を与えています。

     両国は主要な穀物輸出国であり、この紛争により小麦やトウモロコシの国際価格が高騰しました。特に中東やアフリカの国々など、これらの国からの輸入に依存していた地域で深刻な影響が出ています。




 これらの事例は、気候変動、環境破壊、疫病、紛争など、様々な要因が複雑に絡み合って食料危機を引き起こしていることを示しています。

 そして、一つの地域で起こった問題が、世界全体の食料供給に影響を与える可能性があることも明らかです。 










私たちにできること




 ここまでの話を聞いて、不安になった方も多いかもしれません。



 確かに、食料危機は深刻な問題です。しかし、私たち一人一人にできることはたくさんあります。



むしろ、一人一人の小さな行動が、大きな変化を生み出す鍵となるのです。

では、具体的に何ができるでしょうか?


  1. 食品ロスの削減

     日本では年間約570万トンの食品ロスが発生しています。これは、世界中で飢餓に苦しむ人々に届けられる食料援助量(約420万トン)を上回る量です。

    • 買い物は計画的に行い、必要以上に食品を購入しない

    • 冷蔵庫の整理整頓を心がけ、食材を無駄にしない

    • 外食時は食べきれる量を注文する






  2. 地産地消の推進

     地元で生産された食材を積極的に購入することで、輸送にかかるエネルギーを削減し、地域の農業を支援することができます。
     
    • 地元の農産物直売所や farmers market を利用する

    • 旬の食材を選ぶ

    • 地元の食材を使ったレストランを利用する







  3. 環境に配慮した食品の選択

     持続可能な方法で生産された食品を選ぶことで、環境負荷の低減に貢献できます。

    • オーガニック食品や認証付きの水産物を選ぶ

    • 植物性タンパク質(大豆製品など)を積極的に取り入れる

    • 過剰包装の商品を避ける







  4. 家庭菜園の実践

    スペースが許せば、家庭菜園を始めてみるのも良いでしょう。

    • ベランダでハーブやミニトマトを育てる

    • コミュニティガーデンに参加する

    • 室内で水耕栽培を試してみる






  5. 食育と啓発活動

    食料問題について学び、周りの人々に伝えることも重要です。

    • 食料問題に関する講演会や勉強会に参加する

    • SNSで食料問題や持続可能な食生活について発信する

    • 子どもたちに食の大切さを教える

    • 政策への関心と参加










まとめ:希望を持って行動しよう





 食料危機は深刻な問題ですが、私たちには未来を変える力があります。

 人類はこれまでも様々な危機を乗り越えてきました。現在も、世界中で食料問題への取り組みが活発化しています。




 私たち一人一人にも、変化を起こす力があります。日々の食生活を見直し、環境に配慮した選択をすることで、少しずつ世界を変えていくことができるのです。





 今日から、あなたにできることから始めてみませんか?私たちの小さな一歩が、やがて大きな変化となり、持続可能な食の未来を築いていくはずです。





未来の世代のために、今、行動を起こしましょう!

ではまた!












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