みなさん、こんにちは!
前回は日本の地震についてお話しました。
今日は、日本列島に潜む”時限爆弾”とも言える「南海トラフ地震」についてお話しします。
怖がらせるつもりはありませんが、この巨大地震は私たちの生活に大きな影響を与える可能性があります。
でも大丈夫!知識は力です。一緒に学んで、備えていきましょう!
南海トラフって何?巨大地震のゆりかご
まず、南海トラフについて知っていますか?
実は、私たちの足元で静かに、しかし確実に進行している地殻変動の舞台なんです。
南海トラフは、静岡県の駿河湾から九州東方沖まで続く、海底にある深い溝のことです。ここで、フィリピン海プレートが日本列島の下に潜り込んでいます。
まるで巨大な地下の川が地中に流れ込んでいるようなイメージですね。
この潜り込みが、エネルギーを蓄積させ、やがて巨大地震を引き起こすのです。南海トラフ地震は、このエネルギーが一気に解放されることで発生します。
歴史が語る南海トラフ地震
南海トラフ地震は、決して新しい脅威ではありません。
日本の長い歴史の中で、何度も繰り返し発生してきました。
ちょっとタイムスリップして、過去の大地震を見てみましょう。
- 684年 白鳳地震:
日本最古の確実な地震津波記録です。なんと1300年以上前から、この地震の脅威は知られていたんですね。 - 1096年 永長東海地震:
平安時代末期の地震です。源義経や平清盛が生まれる少し前の出来事ですね。 - 1361年 正平(康安)南海地震:
室町時代初期の地震。足利尊氏が天下を取った頃です。 - 1498年 明応東海地震:
戦国時代の幕開けの頃。織田信長が生まれる40年ほど前の出来事です。 - 1707年 宝永地震:
江戸時代の地震。マグニチュード8.6という超巨大地震でした。 - 1946年 昭和南海地震:
最近では、この地震が最後の南海トラフ地震です。
マグニチュード8.0の地震が発生し、四国や紀伊半島に大きな被害をもたらしました。
この地震では、死者・行方不明者が1,330人、負傷者が2,598人に達し、家屋の全壊・半壊は約3万6千戸に及びました。
歴史を見ると、こんなに起きた事例があるんだ、、、
そうなんです。決して、今に始まった出来事ではないんですね。
これらの地震は、約100〜150年の間隔で発生しています。
そして今、私たちは次の南海トラフ地震の発生時期に近づいているのです。
南海トラフ地震、その発生確率は?
さて、ここで重要な質問です。南海トラフ地震はいつ起こるのでしょうか?
専門家の分析によると、南海トラフ地震の発生確率は以下のように予測されています:
- 今後30年以内の発生確率:70〜80%
- 今後40年以内の発生確率:80〜90%
- 今後50年以内の発生確率:90〜95%
こ、こんなに高いの!??
ほぼ確実に起きるってこと!?
めちゃくちゃ高いですよね。
このような高い数字は、以下のような要因を総合的に分析して、導き出されています。
- 過去の地震発生パターン:
- 過去1400年間に発生した南海トラフ地震の間隔は、最短90年、最長262年、平均約150年です。
- 前回の地震(1946年)から既に75年以上が経過しており、次の地震の発生時期に近づいていると考えられます。
- プレート境界でのひずみの蓄積状況:
- GPSによる地殻変動観測から、1年あたり約2〜4cmの速度でプレートが沈み込んでいることがわかっています。
- 過去の地震では、4〜5mのずれが生じたと推定されており、現在のひずみの蓄積量はその70〜80%に達していると考えられています。
- 地殻変動の観測データ:
- 高精度の観測機器により、南海トラフ周辺の地殻がゆっくりと変形していることが確認されています。
- 特に、2000年以降、東海地方で「ゆっくりすべり」と呼ばれる現象が観測されており、これは大地震の前兆である可能性があります。
これらのデータを統計的に処理し、確率モデルを用いて将来の地震発生確率を算出しているのです。
南海トラフ地震、本当に起こるの?
「もしかしたら起きないかも?」そんな期待を持つ人もいるかもしれません。
確かに、自然現象なので100%確実とは言えません。
しかし、過去の記録と現在の状況を見ると、発生の可能性はかなり高いと言わざるを得ません。
むしろ、「起きない」と考えるよりも、「必ず起きる」と想定して備えることが大切です。備えあれば憂いなし、ですよね!
南海トラフ地震が起きたら何が起こる?
さあ、ここからが本題です。
南海トラフ地震が発生したら、どんなことが起こるのでしょうか?
- 強烈な揺れ:
マグニチュード8〜9クラスの地震が想定されています。阪神・淡路大震災やそれ以上の揺れが、広範囲で長時間続く可能性があります。 - 巨大津波:
高さ10メートル以上の津波が、太平洋沿岸を襲う可能性があります。2011年の東日本大震災のような光景が、西日本でも広がってしまうかもしれません。 - 広範囲の被害:
東海地方から九州にかけての広い範囲で、建物の倒壊や火災、ライフラインの寸断などが予想されます。 - 長期的な影響:
経済活動の停滞や、避難生活の長期化など、地震後も長く影響が続く可能性があります。 - 人的被害:
最悪のケースでは、死者数が32万人に達する可能性があります。
これは、地震そのものの揺れや津波、火災などによるものです。
ちなみに、2011年の東日本大震災では、震災直後の死者・行方不明者数は約1万8千人、2024年3月1日時点での死者・行方不明者数は2万2,325人に達しています。
南海トラフ地震の被害予測は、それを遥かに上回る規模です。
発生場所の予測と主要都市への影響
南海トラフ地震の発生場所については、主に以下の3つのパターンが考えられています:
- 東海・東南海・南海地域が同時に破壊される「全体破壊」
- 東海地域と東南海・南海地域が別々に破壊される「半割れ」
- 東海、東南海、南海の3つの地域が別々に破壊される「一部破壊」
これらのパターンによって、被害の規模や範囲が大きく異なる可能性があります。
主要都市における津波の規模と到達時間の例を見てみましょう:
- 静岡市:最大波高10m、最短到達時間5分
- 名古屋市:最大波高5m、最短到達時間57分
- 大阪市:最大波高4m、最短到達時間111分
- 高知市:最大波高15m、最短到達時間3分
大きな地震が起きたとき、
あなたが住んでいる場所は安全ですか?
内閣府の防災HPにも詳しく載っているので、自分が住んでいる地域がどうなのか
事前に調べておきましょう。
ちなみに、、、
大分県の場合:
私の住む大分県の沿岸部では、最大波高5〜10m程度の津波が予測されています。津波の到達時間は、最短で地震発生後約30分程度と予測されています。
特に佐伯市や臼杵市などの南部沿岸地域では、より高い津波が予想されているため、注意が必要です。これらの予測は、最悪のシナリオを想定したものであり、実際の地震や津波の規模は様々な要因によって変わる可能性があります。しかし、このような予測を基に、十分な備えをすることが重要です。
私たちにできること:今からの備えが明日を救う!
さて、ここまで読んで「怖い!」と思った方もいるでしょう。
でも大丈夫です。私たちにできることはたくさんあるんです!
- 耐震対策:
家具の固定や、家の耐震診断・補強を行いましょう。 - 避難計画:
家族で避難場所や連絡方法を確認しておきましょう。 - 非常用品の準備:
水、食料、薬など、最低3日分は用意しておきましょう。 - 地域とのつながり:
ご近所さんとの関係を大切に。災害時は地域の助け合いが重要です。 - 情報収集:
ハザードマップを確認したり、最新の防災情報をチェックしたりしましょう。 - 訓練参加:
地域の防災訓練に積極的に参加しましょう。 - 保険加入:
地震保険など、経済的な備えも忘れずに。
最後に:知恵と勇気で乗り越えよう!
南海トラフ地震は、確かに大きな脅威です。
でも、私たち日本人には、長年培ってきた防災の知恵があります。そして、困難を乗り越える勇気もあります。
この記事を読んだあなたは、もう一歩先を行っています。知識は最大の防御です。家族や友人とこの情報を共有し、一緒に備えていきましょう。
南海トラフ地震は、いつか必ず来ます。
でも、その時、私たちは準備ができています。そう胸を張って言えるよう、今日から少しずつ、でも確実に備えていきましょう。
あなたの行動が、大切な人の命を救うかもしれません。
さあ、今日から始めましょう。明日への備え、未来への投資です!
ではまた!