みなさん、こんにちは!
前回このジャンルでは金利について詳しくお話ししましたが、今回はもう少し大きな視点で、
日本の「少子高齢化」問題について、お金の観点から一緒に考えていきましょう。
少し難しい話題かもしれませんが、私たちの生活に直結する重要な問題です。
できるだけ分かりやすく説明していきますので、最後までお付き合いください。
日本の少子高齢化:数字で見る現状
まずは、日本の少子高齢化の現状を数字で確認してみましょう。
- 2022年の日本の高齢化率(65歳以上の人口が総人口に占める割合):29.1%
- 2065年の予測高齢化率:38.4%(なんと2.6人に1人が65歳以上に!)
- 2022年の出生数:77万人(過去最少、ついに80万人を割りました)
- 2022年の生産年齢人口(15〜64歳)の割合:59.4%(1995年の69.5%から大幅減少)
これらの数字が示すように、日本は世界に類を見ないスピードで高齢化が進んでいます。同時に、少子化も深刻な問題となっています。
「へー、そうなんだ」で終わらせるには、あまりにも大きな変化です。では、これが私たちの生活にどう影響するのでしょうか?
社会保障制度への影響
この少子高齢化は、日本の社会保障制度に大きな影響を与えています。具体的に見ていきましょう。
年金制度の問題
年金制度は、現役世代の保険料で高齢者の年金を支払う「賦課方式」を採用しています。しかし、少子高齢化により、支える側(現役世代)が減少し、支えられる側(高齢者)が増加しているのです。
具体的な問題点:
- 年金支給開始年齢の引き上げ:
2025年までに65歳に引き上げられる予定です。さらに、68歳への引き上げも検討されています。 - 年金支給額の実質的な減少:
マクロ経済スライドによる調整が行われています。 - 将来の年金受給額の不確実性:
「100年安心」と言われた制度の信頼性が揺らいでいます。
医療保険制度の課題
高齢者の増加に伴い、医療費も増大しています。
- 2021年度の国民医療費: 約45兆円(過去最高を更新)
- 75歳以上の後期高齢者の医療費: 全体の約4割を占めています
これに対応するため、以下のような制度変更が行われています:
- 2022年10月から、75歳以上の一定以上所得者(単身世帯で年収200万円以上など)の医療費の自己負担割合が1割から2割に引き上げられました。
介護保険制度の問題
介護を必要とする高齢者の増加により、介護保険制度も大きな課題に直面しています。
- 2021年度の介護給付費:約12兆円(制度開始時の2000年度の約3倍)
- 2040年度の予測介護給付費:約25兆円
対応策として:
- 介護保険料の引き上げ
- 要介護認定基準の厳格化
- 介護サービスの自己負担増
税負担の増加
社会保障費の増大は、税負担の増加にもつながっています。
- 消費税率の引き上げ(2019年10月に10%に)
- 社会保険料の引き上げ(年金保険料、健康保険料など)
個人の家計への影響
これらの変化は、私たち個人の家計にも大きな影響を与えています。
- 将来受け取る年金額の減少
- 医療費・介護費の自己負担増加
- 税・社会保険料負担の増加
- 老後に必要な資金の増加
例えば、厚生労働省の試算によると、65歳以上の夫婦世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)が老後30年間に必要な金額は、毎月約21万円。
これに対し、平均的な年金支給額は月約13〜15万円程度です。つまり、毎月6〜8万円程度の不足が生じる可能性があるのです。
もちろん、家庭の状況によってさまざまなので、上記はあくまで一例です。
人によって必要な金額は変わってきます。
えっ、それにしても、そんなに足りないの?
と、驚かれた方も多いのではないでしょうか。
でも、大丈夫です。
この状況に備える方法はあります。
どう行動すべきか? 5つの戦略
では、このような状況下で、私たちはどのように行動すべきでしょうか?以下に5つの戦略を提案します。
早期からの資産形成
「老後2000万円問題」でも話題になりましたが、年金だけでは老後の生活を賄うのは難しくなっています。そのため、早い段階から計画的な資産形成を始めることが重要です。
具体的な行動:
- つみたてNISAやiDeCoの活用:
これらは税制優遇があり、長期投資に適しています。 - 分散投資による長期的な資産運用:
「卵は一つのカゴに盛るな」ということわざがありますが、投資も同じです。 - 若いうちからの貯蓄習慣の確立:
「ちりも積もれば山となる」です。少額からでも始めましょう。
健康管理の徹底
医療費・介護費の自己負担が増加する中、健康であることの価値はますます高まっています。
具体的な行動:
- 定期的な健康診断の受診:
早期発見・早期治療が医療費の抑制につながります。 - 適度な運動習慣の確立:
ウォーキングや軽い筋トレから始めてみましょう。 - バランスの取れた食生活:
「医食同源」という言葉があるように、食事は健康の基本です。
スキルアップと複数の収入源の確保
年金支給開始年齢の引き上げに備え、長く働き続けられる環境を整えることが重要です。
具体的な行動:
- 継続的な学習によるスキルアップ:
オンライン講座やセミナーを活用しましょう。 - 副業やフリーランス work の検討:
「働き方改革」で副業を認める企業も増えています。 - 起業や事業承継の可能性の模索:
自分の強みを活かせる分野を探してみましょう。
家族や地域とのつながりの強化
介護保険サービスだけに頼らない、互助の仕組みづくりも重要です。
具体的な行動:
- 家族間でのコミュニケーション強化:
将来の計画を家族で話し合いましょう。 - 地域活動への参加:
町内会やボランティア活動などに参加してみましょう。 - 介護や子育ての相互支援ネットワークづくり:
地域の助け合いの輪に加わってみましょう。
金融リテラシーの向上
変化する制度や新しい金融商品に対応するため、継続的な学習が必要です。
具体的な行動:
- 金融教育セミナーへの参加:
地域の金融機関やNPOが開催するセミナーを活用しましょう。 - 経済ニュースのチェック習慣化:
毎日10分でも、ニュースをチェックする習慣をつけましょう。 - ファイナンシャルプランナーへの相談:
専門家のアドバイスを受けるのも良い方法です。
まとめ:変化を味方につけ、新しい可能性を探ろう
少子高齢化に伴う社会保障制度の変化は、確かに不安を感じさせるものかもしれません。
しかし、この変化を「ピンチ」ではなく「チャンス」と捉え直すことで、新たな可能性が見えてきます。
例えば:
- 健康管理の徹底は、より充実した人生につながります。
- スキルアップは、新たなキャリアの可能性を開きます。
- 地域とのつながりは、豊かな人間関係を築く機会となります。
- 金融リテラシーの向上は、より賢明な経済的決断を可能にします。
つまり、これらの行動は単に
「老後の備え」というだけでなく、今をより豊かに生きるためのものでもあるのです。
さらに、個人レベルの取り組みが集まれば、社会全体を変える力にもなります。
例えば、健康的な生活習慣が広まれば医療費の抑制につながり、スキルアップや副業の普及は労働生産性の向上をもたらします。
私たち一人一人が、この変化に積極的に適応し、行動を起こすことで、少子高齢化社会を「生きづらい社会」ではなく「誰もが生き生きと活躍できる社会」に変えていくことができるのです。
今日から、あなたにできることを一つずつ始めてみませんか?
小さな一歩が、あなたの、そして日本の明るい未来につながっていくはずです。
変化を恐れず、むしろそれを楽しみながら、一緒に新しい時代を切り開いていきましょう!
ではまた。